ミャンマーの現実は”ランボー4”よりも悲惨【死者約13万人、被災者約250万人、損失額100億ドル】

シルベスター・スタローン監督・主演のハリウッド映画「ランボー」シリーズ最新作がミャンマーで人気のようです。
今回の「ランボー/最後の戦場」はミャンマーを題材にしていて、反政府デモを武力弾圧したミャンマー軍事政権の非難に一役買っているからのようです。国内では海賊版が出回り、シンガポールではデモ犠牲者の追悼式で上映されるなど盛り上がっているようです。「ランボー/最後の戦場」はベトナム帰還兵のランボーが、ミャンマー軍に誘拐された宣教師らを救出するという話で、1月末に米国で公開がはじまっています。まもなく日本でも公開されます。
サイクロン被災者に適切な救援を行わず、国民監視を強化し、国民投票で反対票を投じた有権者への弾圧も始まっているようである。現実の世界にはランボーはいないが、ミャンマー人が”ランボー”を待ち望む気持ちは十分わかる。

英国による過酷な植民地支配からビルマ人を解放した”ランボー”は東から日章旗をかかげてやってきたが、今回軍事政権からミャンマー人を救うのは?

ミャンマーの現実はきっとランボーよりも悲惨である。

軍政、国民監視を強化 ミャンマー治安当局者明かす
2008年05月19日03時19分

 【ミャワディ(ミャンマー東部)=山本大輔】ミャンマー(ビルマ)軍事政権の治安担当者が17日、タイ国境の町で朝日新聞の取材に応じた。軍政がサイクロン被災者の不満爆発を警戒して国民監視を強める一方、新憲法案を問う国民投票で反対票を投じた有権者への取り締まりに乗り出したことを明らかにした。

 治安担当者の男性(45)はヤンゴンの東約300キロの国境の町ミャワディで取材に応じた。軍政批判をする民主化活動家や外国メディアの監視をしている。サイクロン後にヤンゴンで開かれた被災地周辺の警備態勢を話し合う会議に参加したという。

 軍政は南部の最大被災地エヤワディ管区に多くの検問所を設けて外部と完全に遮断。住民すら通過が難しい厳戒態勢について、男性は「被災地の状況が漏れたら軍政の印象が悪くなる。反政府勢力が被災者をあおって暴動が起きると厄介だ」と説明した。

 被災者への援助物資は軍政が設けた避難所でしか配布しない。「国民の警戒心をあおる」として、物資の受け渡しは兵士や警官ではなく、閣僚か軍政が動員した民間人が行う。被災者の不満の爆発を抑えることに注意を払っているという。「昨年9月のデモ以来、強硬手段は国民に見える所ではしないという方針になった」

 新憲法への「反対者狩り」も始まったという。軍政は10日の国民投票時に「反対票を投じても罰せられない」としていたが、投票時に登録させた名前と住所をたどり、逮捕しているという。

 締め付けは軍政関係者にも及ぶ。国営放送で15日に出された援助物資の横流し禁止令に違反したとして軍政傘下の団体職員が逮捕された。「執行部と家族以外は軍政側の人間であっても監視対象。その不満を、我々はより弱い立場の国民にぶつけている」

 ミャワディは、川を挟んで対岸のタイ側が民主化活動家の拠点とあって、昨年9月のデモ以降、軍政が警備を強化。私服の治安当局者がタイ側でも目を光らせる


「ランボー4」がミャンマーでひそかな人気=軍事政権と戦う姿に拍手喝采
【ヤンゴン17日AFP=時事】米国のベトナム帰還兵ランボーがミャンマーの軍事政権を相手に戦うシルベスター・スタローン(写真)主演のランボー・シリーズ最新第4作「ランボー/最後の戦場」がミャンマーの人々の間でひそかに人気となり、軍事政権がこの映画のDVDが売買されるのを厳しく取り締まっている。
 DVDの売人は、「多くの客が『最後の戦場』がないかといってくるが、売ろうとは思わない。警察がもし売ったら7年間、牢屋行きだと行っているからね」と語った。他の売人は、毎日少なくとも20人からランボーがないかと聞かれると話した。
 「最後の戦場」ではランボーは、捕らわれたキリスト教の宣教師を救出するため、ミャンマー軍と戦いを繰り広げる。この映画はミャンマーの軍事政権をサディスト的で堕落した存在として描いている。このほど米国とシンガポールで公開され、海賊版のDVDが出回っている。
 ヤンゴンの30歳のビジネスマンは、DVDの売人に買いたいといったが、インドや中国、日本、韓国からのポルノなら何とでもなるが、「最後の戦場」は駄目だと断られたという。
 幸運にも見ることができた45歳の民主化活動家は、「ランボーがミャンマー兵士と戦っており、非常に気に入った」と語った。友達にも見てほしかったので回したと話したが、入手経路は明らかにしなかった。 〔AFP=時事〕


ミャンマー:サイクロン被害 「救援活動、一度も見ない」 被災地住民、軍事政権批判
 「政府は我々のことなど、どうでもいいんだ」--。サイクロン「ナルギス」の直撃で壊滅的な被害を受けた、ミャンマー南部のイラワジ川河口地域。毎日新聞は16日、被災後に現地に入ったフリージャーナリストから話を聞いた。被災地では軍事政権による救援活動はほとんど行われておらず、住民からは政権に対する怒りの声が上がっていた。【和田浩明】

 ナルギスは今月2、3日にミャンマー南部を直撃、軍事政権発表で約7万7738人が死亡した。ジャーナリストはその数日後から今月中旬にかけ、河口地域のクンヤンゴンやボガレイを訪れた。

 「ここに私の家があったのよ」。最大都市ヤンゴンの南約50キロにあるクンヤンゴン。アシャビーさん(57)は、土台を残して跡形もなくなった自宅跡を指さして泣き崩れた。

 2日夜、強いサイクロンが接近しているとの情報は一切なかったという。吹き募る強風に、18人の家族は暗闇のなか身を寄せ合っていたが、家は押し寄せた水で押し流された。家族は相次いで流され、木にしがみついたアシャビーさんただ一人が生き残った。

 ジャーナリストは「(被災地で)軍による救援活動を一度も見なかった」と証言する。最大の被災地の一つであるボガレイ近郊に、ようやく、政府からの援助物資を受け取ったことがあるという住民がいた。家族数に関係なく、1世帯にコメ1キロ。コメを大量に食べるミャンマーでは、4人家族なら1食分にしかならない分量だ。

 軍事政権は住民の間に監視網を作り上げ、普段は人々が政権批判を語ることはまずない。だが被災地では、住民は口々に「援助なんて何も来ていない」「あれだけ軍隊がいるのに、何をやっているのか」などと話し、政権の対応への不満をあらわにした。

 軍事政権は被災地での被害状況調査も一切行っていないという。「政権にとって関心があるのは治安維持だけ。(多くの住民の死亡で)無人になった被災地には関心すらないのだろう」。ジャーナリストはそう話した。

毎日新聞 2008年5月17日 東京朝刊




『ランボー/最後の戦場』(原題JohnRambo)
http://rambo.gyao.jp/


ミャンマーのサイクロン被害 進まぬ救援活動にNHKが潜入取材


【ミャンマー1】サイクロン被害第1報 軍事政権による被害拡大 20080507


【ミャンマー2】サイクロン被害第1報 軍事政権による被害拡大 20080507



 【シンガポール=藤本欣也】東南アジア諸国連合(ASEAN)は19日、ミャンマーのサイクロン被災に関する特別外相会議をシンガポールで開き、ミャンマー軍事政権がASEAN加盟国の医療支援要員を即時受け入れることで合意した。また、国連が提唱している主要支援国会合については、ミャンマー側が25日に最大都市ヤンゴンで開催することを提案した。

 会見したシンガポールのジョージ・ヨー外相によると、ASEANは、ミャンマー支援を調整するための機構を設立することでも合意、人的支援を含む国際社会の援助を効果的に実施することを目指す。ミャンマー軍政は、ASEAN主導の同機構を通じた国際支援は受け入れるという。

ミャンマーは今月2、3日の大型サイクロンで死者・行方不明者約13万人、被災者約250万人という甚大な被害を受けた。この日の会議では、損失額が推計100億ドル(約1兆400億円)に上ることが明らかにされた。


 ミャンマー軍政はこれまで中国、インド、タイなどの隣国・友好国の支援要員は受け入れたものの、欧米などの人的支援の受け入れは拒否していた。今回、ASEAN加盟国の人的支援とともに、国際社会の支援受け入れにも道を開く譲歩を示した背景には、被災状況の深刻さに加え、支援国会合を前に柔軟な対応をアピールしておくことで、国際社会を懐柔し軍政にとって都合のいい援助を引き出す狙いがあるとみられる。

 ミャンマーを17、18日に訪問した木村仁外務副大臣が19日、シンガポールで会見し明らかにしたところによると、ミャンマー側担当者は「(被災者救援の初期段階の)フェーズ1は終わりに近い」との認識を示し、仮設住宅建設や農業・漁業復興の重要性を強調。人的支援ではなく資金、物資の支援の方を求める姿勢を鮮明にしている。

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  • ところでミャンマーはどうなった?

    Excerpt: 中国・四川大地震の発生から1週間、テレビのニュースで見ない日はない。 いずれもトップ扱い。ところで、四川大地震の前に起こったミャンマーでのサイクロン被害はどうなったの? 新聞もテレビもネットも、地震後.. Weblog: ナゴヤ人伝説。税理士バッキーの日記帳 racked: 2008-05-20 12:22