【民主化】 タイ・サマック政権 非常事態宣言 ~如何に収束させるか~ 【飢えのない国】

(続報)
タイは民主国家でサマック政権は国民から支持されている旨のブログを書いた矢先に、下記の通り、首都バンコクに非常事態宣言が発令された。サマック政権の打倒を掲げる反政府派の市民団体「民主市民連合(PAD)」メンバーと親サマック派の市民が2日未明、首相府近くで衝突、死者1人と負傷者40人以上が出たことを受けたもの。
タイ野党党首、下院解散・総選挙を要求、3日にはタイ国営企業労連が首相退陣求め一斉ストを予定している。
民主化が進むにつれ、この種の政治的デモはある意味避けられないプロセスともいえるが、市民団体の抗議は明らかに行き過ぎである。国民からの支持も受けていない。プミポン国王がいる限り、これが国内の分裂や内戦にはつながることはなかろうが、長期化すればタイの経済だけでなくイメージをも大きく損ねてしまう。
タイはいかにしてこの事態を収束させて行くだろうか。民主主義の成熟度を試す大きな試練である。引き続きウォッチしていきたい。
 
タイ、首都バンコクに非常事態宣言を発令 衝突で死者
 【バンコク=遠西俊洋】タイのサマック首相は2日午前7時(日本時間同日午前9時)、首都バンコクに非常事態宣言を発令した。サマック政権の打倒を掲げる反政府派の市民団体「民主市民連合(PAD)」メンバーと親サマック派の市民が同日未明、首相府近くで衝突、死者1人と負傷者40人以上が出たことを受けたもの。宣言により、軍が首相府を占拠しているPADを同所から排除することが可能になった。バンコク市内は午前7時半現在、目立った混乱は起きていない模様。 (日経09:37)



画像1990年代初頭、急成長国の代名詞のように取り上げられたタイも、97年に通貨危機が襲い、今やそのイメージは中国、インドにすっかり取って代わられた。しかし、タイの名目GDP(国内総生産)はどん底に陥った危機翌年の98年から2倍に膨らみ、同じ期間の中国の約2.5倍とそれほど差はない。昨年、バンコクには成田空港の3倍程度の広さの新空港がオープンするなど、タイの成長は巨大インフラの整備と共にさらに進む可能性を秘めている。
画像タイのサマック新政権は、新路線を含めたバンコクの地下鉄、高架鉄道の拡張や、スワナプーム空港の能力拡大などがある。地方の自治体や産業を育成するための基金の活用、一村一品運動の促進、低所得者向けとして、低所得者用住宅の建設、農民の債務返済猶予、低利融資など旧タクシン政権から既定の路線を引き継ぐとともに、
次々と新しい減税案を発表している。様々な政策が市場や、国民、そして、反対勢力も含め、各政治勢力を支える財閥などの実業界にも基本的に歓迎されており、なにより国家の運営方針について争いがない。民主的な選挙で選ばれた政権だからこそ、国民に支持され、国全体の気分を明るくさせるような施策を打ち出していけるともいえる。さらにタイの国家財政は日本ほど公的債務も多くなく、まだ余力がある。以前と比べると、決定もすばやく、国民や国内企業だけでなく外国人にとっても希望を抱かせる政策を次々に発表している。
画像もちろんタイは発展途上国に特有の問題も依然多く抱えており、政府も必ずしも欧米的な民主的とは言いがたい。それでも、知れば知るほどタイの豊かな土壌とタイ人の奥深い智恵に感服せざるを得ない。アジアには日本のほかにもう一カ国、OECD加盟の”自称先進国”があるが、タイとは全く対称的である。

アメリカン ウェイ オブ ライフが行き詰る中、われわれ日本人は中国以外の東洋の知恵についても、触角を伸ばしていくべきだと考える。タイから日本が学べることは少なくない。









日経BP NB Onlineの記事を抜粋転載する。
自前で競争力ある輸出品をもつタイは今後も安定した発展が期待されよう。

飢えと無縁の国で飛躍する食品メーカー 
あるシンガポール出身のインベストメントバンカーと話していて、とても印象に残った一言がある。

 “THAILAND NEVER STARVE”――タイは飢えることがない国

 彼が見てきたインド、中国、インドネシア、カンボジアは、急速に経済発展もしくは経済復興を遂げている。しかし、そうした国々にも、飢えの問題は、依然として残っている。というより世界中で人類は、飢餓に苦しめられている。

 世界保健機関(WHO)によれば、飢えと栄養不足は、世界第1位の死亡原因で、国連食糧農業機関 (FAO)によれば、世界で毎日、2万5000人が飢えと貧困で死亡しているという。

 NPO法人(特定非営利活動法人)の国連WFP協会は、世界の飢餓状況を表したハンガーマップを作成している。日本や米国そして西欧諸国などは栄養不足人口が2.5%未満の地域に色分けされている。残念ながらタイはデータなしと表示されている。

<世界の食料生産基地>
 では、実際どうなのか。10年近くタイに済んでいる筆者が見る限りでも、田舎、都会どこに行っても、そして路上生活者でも、食べるのに困っている様子が見られない。食糧自給率がそれを表している。.

 日本の農林水産省の統計によれば、2003年のタイの穀物自給率は162%と、175カ国地域中で第6位に位置する。こうした統計や、私の実感から言っても、タイほど食料の豊かな国は珍しい。豊穣の国、タイで根付いたの食糧ビジネスについて、今回は書いてみた。

 先の農林省統計によれば、世界で食糧を輸出できる国は、15パーセントの限られた国だ。タイはその限られた国の1つで、農産物輸出では米、パイナップルが世界一であり、砂糖は世界第5位、水産物輸出ではツナ、エビの輸出が世界一だ。このようにタイは様々な農産品で、世界の生産基地となっている。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によれば、日本にとってタイは食料輸入の5パーセントを占め、第5位の輸入相手である。タイから見ても日本は米国についで第2位の重要な輸出先だ。昨年の日タイ経済連携協定の発効で最もタイ側に期待が高かった分野の1つが、この食料だった。

<セブン-イレブン・ジャパンなど日本企業にもCPF製品が>
 タイのフードビジネスの最大手がCPF(チャルーンポーカパンフーズ)だ。タイの有力財閥CPグループの1つで、1978年、鶏や豚など陸生の家畜用飼料の製造を主たる事業として創業された。87年に家畜の飼育に事業を拡大するとともに、SET(タイ証券取引所)に上場を果たした。
88年には輸出用えびの飼料製造、養殖、加工を主たる事業として水産物に事業を拡大し、その後も食品加工業を中心に事業を拡大、現在では、トルコ、米国、EU(欧州連合)、マレーシア、ベトナム、インド、デンマーク、中国などに生産基地や販売子会社を持っている。会社のポリシー通り、まさに“KITCHEN OF THE WORLD――世界の台所”にふさわしいグローバル企業へと成長を果たしている。

 日本は同社製品の主要輸出先の1つで、工場を創業して間もない90年からまずは鳥の生肉を中心に輸出を始め、90年代末からフライなど加工食品の輸出などを行っている。20年近い取引から、CPFと取引する日本企業は多数あり、食肉及び加工食品の製造・販売を手がける米久とはタイに2005年1月に共同出資でCPヨネキューを設立し、食肉加工品の製造を手がけている。

 CPFにとって、日本はトルコ、EU(欧州連合)に次ぐ海外売上高を上げており、輸出額は約80億バーツ(320億円)。CPF製の加工食品は日本国内の大手コンビニエンスストアなどで販売されている。ちなみにCPFはタイ国内で流通チェーンビジネスを展開しており、タイのセブン-イレブンにも出資している。

 CPFの現在の時価総額は約326億バーツ(約1054億万円)、2006年12月期の売上高は1275億バーツ(約4119億万円)、税引前利益48億2994万バーツ(約156億円)だ。売上高の内、輸出、海外売上高を加えた比率は約26%。

 同様の業種の日本企業と比べた場合、日本ハムは時価総額2693億円、2007年3月期の売上高9772億円、税引前利益136億円となる。CPFは時価総額、売上高、税引前利益のいずれでも日本ハムに及ばないが、税引前利益率では3.8%と、日本ハムの1.4%を上回っている。

<イスラムの儀式を工場で行う理由>
画像先日、バンコク近郊にあるCPFの鶏肉加工工場に行く機会があり、中を見学した。工場の正門には、医薬品や健康食品の品質管理基準であるGMP、食品製造工程の品質管理プログラムの1つであるHACCP、そしてISOなどの認定を取っていることをこれぞとばかりにアピールしていた。

バンコク近郊にあるCPFの鶏肉加工工場の正門: それだけ表示しているように、工場の中に入ると見学路は完全に加工工程と仕切られた閉じた廊下になっており、ガラス越しにしか中を見ることはできない。当然ながら、見学者など外部の人間は簡単に加工工程の中に入ることはできない。

 説明を受けた工場での鶏肉加工工程は以下のようなものである。まず、ニワトリはCPFの養鶏場から外部の菌が混入しないように配慮されたトラックなどに積み込まれて、加工工場に直接乗りつけられる。

 そこでいったん、涼しく、消音設備の整った静かな部屋で数時間過ごすことになる。これはまず、ニワトリの気持ちを沈め、最後に安静にするためのものだ。次に完全に密閉された屠殺部屋にて、イスラム教徒が、イスラムの教えにのっとってニワトリを殺す。

こうした儀式を行うのは、CPFの製品を世界に販売するため。安静を確保しているのは、動物虐待などに敏感な欧米諸国を意識してのこと。イスラム教義にのっとった屠殺方法は世界10億人を超えるイスラム教徒に商品を販売するため。

<羽を取り除いた後の工程>
 2000年に味の素のインドネシア法人が、その製品加工過程で豚の酵素を使っていただけで糾弾され、ビジネスとしての大打撃を受けただけでなく、その社長まで逮捕されるに至ったことは記憶に新しい。現在、イスラム教徒人口は米国や欧州などでも急増しており、世界のどの市場に出荷するにもイスラム教徒を意識しないわけにはいかない。

 こうした工程を組み込んでいることからも、CPFのビジネスがグローバルに広がっている様子がうかがえた。

<作業員の帽子には3色の線が使い分けられる>
 儀式を経た後、完全冷房のそれぞれの部屋が独立し、行き来のできない4つの工程に進む。第1の工程では、内臓を取り除き、血抜きをする工程である。この工程では無数の鶏肉がフックにかかったままでそれぞれの工程を進む。ここから鶏肉が通過できる大きさの穴のあいた壁を通って、次の工程へと進む。
次の工程では加工品に合わせて必要な部位を切り、形を整える。適当な大きさに切り、骨を抜き、次の工程で形を整える。これを人の手でやるのだが、この人たちは3種類の色の帽子をかぶっている。

<鶏肉をカットする工程>
画像 まず、緑の線の入った帽子の作業員が鶏肉を受け取り、手で中に骨や異物がないかを確認して、白い帽子のラインに流す。白い帽子の人々はこれを丁寧により分け、形を整える。この形が整った鶏肉をまた、別の緑の線入り帽子をかぶった作業員たちが再び手で骨や異物がないかを確認して次の工程へ流す。オレンジの監督者はこの作業を後ろからしっかりと見守っている。


<加工後、袋詰めする工程>
 逆には進めないベルトコンベアで、壁に仕切られて行き来できない次の部屋に移り、揚げる、焼く、味をつけるなどの工程に分けられる。この工程は注文に応じて様々な体制が組めるようになっており、筆者が見学した時には1ラインは日本向けの照り焼きチキンを作っているところだった。

 さらに同じように壁で仕切られた次の工程に移り、袋詰めの際には、センサーで加工ミス、異物などがないかチェックされ、さらにそれをパスしたものを、人が一つひとつ目視によって確認したうえで行う。そして冷凍室、冷蔵室、出荷場へと運ばれるのである。

 この過程で驚かされるのはまず、その品質管理、衛生管理の厳しさと厳格さだ。各部屋を行き来させない、決して逆回りできない加工工程、徹底したチェック体制。まさに昨今、日本で話題になる食の安全を満たす工場となっている。

<養鶏場の見学を申し込むと、断られた>
 さらにCPFは豚、鳥、魚、エビなどをすべて自社で養殖している。その養鶏場などの見学を申し出るとはっきりと断られた。

 「外部の人間が病原体を持ち込むことを避けるため、CPF社内の人間でも大半が養鶏場には入ることを禁じている。それぐらい徹底した安全管理をして初めて、CPFの食品は安全だと言える」と工場を案内してくれたナムチップ・チュンポルクルオン博士は言う。チュンポルクルオン博士は日本で修士及び博士課程を修了し、その後も4年間日本の研究機関に所属していた経験もあり流ちょうな日本語を話す。日本の食品メーカーや流通業が訪問した時には、工場の説明などの対応をしている。

<ナムチップ・チュンポルクルオン博士>
 ビデオで見る限り、養鶏場の中は完全に閉じた空間になっており、巨大な空調設備、清潔な内部環境、餌なども自動的に運ばれるもので、人間との接触はできる限り避けるようなシステムができている。日本で鳥インフルエンザが問題になった時、日本の養鶏場は天井の開いた開放式で、そこから渡り鳥の糞や、鳥自身が養鶏場に入り込み、感染したと報道されたが、CPFの養鶏場ではそうした隙は見られないようだ。

 しかも、CPFはこの養鶏場をすべて自社経営しているだけでなく、その鶏の餌も自社で、化学薬品などを排除して作られているため、この点においても安全性が保たれている。もともと、飼料メーカーとして出発したことが彼らの戦略に大きく貢献している。

<安全重視、グローバルは工場操業以来>
 同工場のインフォメーションオフィスに所属するサカンヤ・イサラヌワチャイ氏によれば、食の安全を意識したシステムは87年の工場開始以来、意識して取り組んできたと強調する。日本では安全性を強調する食品メーカーが偽装や衛生管理で社会問題になるような事件を起こすことが、ここ最近続出しているため、イサラヌワチャイ氏の言葉も慎重に受け止めなくてはならない。

 その一方で、CPFの工場には毎日のように商談や、商談後のレビューのために日本企業も含む世界の企業が日参していることや、EUが2005年に輸入獣肉食品の品質管理及び検査の原則を新たに導入した際に、他のタイ企業は一時、EUへの輸出がストップしたのに対し、CPFは工場の正門にかかげているように、GMPやHACCP、さらにAnimal Welfare(家畜福祉)やHALAL(イスラム教に基づく生産過程保証)、BRC(英国小売協会)の商品品質保証基準などを満たしていることから、継続して輸出が可能だったことなどは、評価する必要がある。

 CPFは昨今の食品安全性への意識の高まりによって、このような体制になったのではなく、始めから、食の安全や、世界戦略を意識していた。そして、始めからのポリシーを持って、なるべくしてグローバル企業、「世界の台所」へと発展していったのである。

 タイでは、CPFの経営者たちは「本当に洗練された、頭のいい奴ら」というイメージが浸透している。タイの有力企業では、トップそしてミドルマネジメントのほとんどが英語を話し、様々な経営指標を使いながら、明快に企業戦略やビジョンを語る。

 日本では、タイの現地企業の話は、あまり知られていないことと思う。CPFを皮切りに、今後、様々な業種の有力企業を紹介していきたい。



失業率1.5%、豊かさ求める消費者が登場
ばらまき、大衆迎合…、でも問題なし

タイ国政府観光庁
タイ国際航空
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JETRO タイ;経済動向


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